行政書士に相談したのに空き家が1年動かなかった理由|富山市の空き家相談で実際にあったケースから

富山市で相続した空き家の売却相談を不動産会社に行う重要性を表現したイラスト。宅建業者の男性が空き家の模型を持ち、物件情報の掲示板を背景に、買主探し・広告掲載・条件調整など空き家売却の流通業務をわかりやすく示している。相続後の空き家売却や不動産相談に関するブログ記事のアイキャッチ画像。
「相続の手続きが必要だから、まず行政書士に相談した」
「書類は整ったのに、その後どうしていいかわからなくなった」
富山市で空き家のご相談を受けていると、
こうしたケースに出会うことがあります。
実際に、
行政書士に依頼してから1年以上が経過したものの、
空き家の処分がまったく進まず、
不安になって不動産屋へ相談に来られた方がいらっしゃいました。
この記事では、
なぜそのような状況が起きてしまったのか、
そして空き家を「動かす」ために何が必要だったのかを、
現場目線で整理してお伝えします。

① 行政書士に相談するのは、決して間違いではない

まず大前提として、
行政書士に相談すること自体は、決して間違いではありません。
相続に関しては、
• 相続関係の整理
• 遺産分割協議書などの書類作成
• 各種手続きのサポート
といった点で、行政書士は非常に心強い存在です。
特に、
• 何から手を付ければいいかわからない
• 書類や手続きが苦手
• まずは法的に整理したい
という方にとって、
最初の相談先として行政書士を選ぶのは、とても自然な流れです。

② それでも空き家が動かなかった理由

ではなぜ、
「書類は整ったのに、空き家は1年動かなかった」
という状況になってしまったのでしょうか。
理由はとてもシンプルで、
空き家を“動かす役割”が、まだ誰にも引き継がれていなかった
からです。
相続した空き家には、
• 法的・事務的に整える段階
• 実際に売る・貸す・管理する段階
という、いくつかのフェーズがあります。
行政書士が担うのは、
主に「法的・事務的に整える」役割です。
その先にある
売却・買主探し・条件調整 といったフェーズは、
また別の専門分野になります。
この「次の段階」を誰が担うのかが曖昧なまま進んでしまうと、
書類上は整っているのに、
現実には何も動かない状態になりがちです。
※この「次の段階」に入る前の考え方については、
👉 相続した実家、売るか残すか迷ったときに考えてほしいこと
でも詳しく整理しています。
https://hachimitsufudousan.co.jp/column/343/

③ 宅建業法上、行政書士は「売買の仲介」ができない

ここで、法律上の重要なポイントがあります。
不動産の売買について、
• 売主と買主をつなぐ
• 条件を調整する
• 契約成立に向けて仲介する
といった行為は、
宅地建物取引業法(宅建業法) の規制対象です。
このため、
• 不動産の売買仲介
• 反復継続して買主を探す行為
• 不動産ポータルサイトへの掲載
といった業務は、
宅建業免許を持つ不動産業者しか行うことができません。
これは能力や姿勢の問題ではなく、
法律によって業務範囲が明確に分けられている
というだけの話です。
その結果、
書類は整った
しかし、売買は始まらない
という状態が生まれてしまうことがあります。

④ 富山では「買主に届く入口」を押さえているのが不動産屋

富山で不動産を探している方の多くは、
不動産ポータルサイトを入口にしています。
実感としては、
• 富山では「アットホーム」が中心
• 他のポータルサイトは補助的
というケースが多いのが現実です。
そして、これらのポータルサイトに
物件情報を掲載できるのは、
宅建業免許を持つ不動産業者だけです。
行政書士は、
• 物件をポータルサイトに掲載する
• 買主を募る
• 売買条件を調整する
といった行為を行うことができません。
その結果、
書類は整った
でも、物件情報が市場に出ていない
という状態が続いてしまうことがあります。
この「市場にどう出すか」「誰に届けるか」という考え方は、
👉 不動産屋に断られた家は本当に売れないのか?
の記事でも触れています。
https://hachimitsufudousan.co.jp/column/356/
不動産屋(宅建業者)が担っているのは、
単に「売ること」ではありません。
• 市場に情報を出す
• 買主の目に触れさせる
• 条件を整理し、現実的な出口を考える
この 「流通の部分」 において、
不動産屋は役割を持っています。

⑤ 相談先は「一つ」でなくていい

今回のケースを振り返ると、
• 行政書士に相談したこと自体は正解
• ただし、その後の段階で不動産屋への相談が必要だった
と言えます。
大切なのは、
「どちらが正しいか」ではなく、
役割の違いを理解したうえで、適切な順番で相談すること です。
売るかどうかを決めていない段階でも、
不動産屋に相談すること自体は問題ありません。
現状を整理し、
選択肢を並べることで、
初めて次の判断ができるようになります。

まとめ|空き家を動かすには「流通の視点」が欠かせない

相続した空き家は、
• 書類を整えるだけでは動かない
• 買主に届く仕組みが必要
という性質を持っています。
行政書士は
「整える」専門家。
不動産屋(宅建業者)は
「動かす」役割 を担っています。
この役割を正しくつなぐことで、
止まっていた空き家も、前に進みます。
富山市で相続した空き家や、
長く動いていない不動産について、
• 誰に相談すればいいかわからない
• 一度相談したが止まってしまった
そんな場合でも、
売る・売らないを決めていなくて構いません。
空き家の状況を整理し、
次に進むための選択肢を
現実的にご提案します。
👉 富山市の空き家相談・不動産売却についてはこちら
https://hachimitsufudousan.co.jp/
「まだ決めきれていない」段階こそ、
ご相談のタイミングです。